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クロスメーカー早見表|国内6社×海外7ブランドの“強みと弱み”を1記事で完全理解

クロスを選ぶとき、国内メーカーと海外メーカーにはそれぞれ異なる魅力があります。
国内クロスは安定した流通や機能性の充実が特徴で、安心して選びやすいのが利点です。
一方、海外クロスは独自の色柄や質感が魅力で、日本ではあまり見ない、個性的な空間をつくることができます。

ただし、海外クロスは調達や納期に特徴があり、ロットが大きく、大量の余りが出やすいことから、結果的にコストが高くなるケースがある点も知っておきましょう。
これは欠点というより「選ぶ前に理解しておくべき特性」です。
国内・海外ともにメリットと注意点があります。
どちらが優れているかではなく、自分の住まいに合うかどうかで選び自分の満足度が対価を超えることが大切です。

そこでこの記事では、国内主要6社と海外7ブランドの強みと弱みを整理し、ライフスタイルに合わせた選び方をご紹介します。
読み終わった頃には、自分に合ったクロスを納得して選べる知識が身についていることでしょう。

下の画像はサンゲツ⇐
品番:FE76395
※左官仕上げ風
https://www.sangetsu.co.jp/product/detail/FE76395/⇐
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クロスメーカーを比較する前に知っておきたい基礎知識

クロスを選ぶときにまず知っておきたいのは、国内クロスと海外クロスの基本的な違いです。
国内クロスは施工しやすいので、職人が1日あたりに張れるクロスの量が多いので、人件費を抑えられます。
そして安定した供給があり、追加が発生してもすぐに取り寄せられるので、計画も立てやすいのが特徴です。

一方、海外クロスはデザインの多彩さや独特の質感に強みがあり、空間を個性的に仕上げることができます。

選ぶ際の視点としては、「機能性」・「デザイン」・「コスト」の3つが基本軸になります。
抗菌・防カビといった生活を快適にする機能、部屋の印象を大きく左右するデザイン、そして総額としてどれくらいの予算を想定するか。
この3点のバランスをどうとるかが分かれば、納得のいく選択ができるようになります。

さらに、クロスは仕上がりやメンテナンスにも影響を与えます。
国内クロスは扱いやすい幅92cmが主流で、クロス職人も慣れているため、仕上がりが良く、安定しやすいです。
海外クロスは幅が狭いものが多く、継ぎ目が増えるため、施工には技術が必要で、腕のよい職人を必要とします。
その分人件費も割高ですが、デザインの自由度がかなり高くなります。

いずれも優劣ではなく、住まいの目的に合わせて選び分けることが大切です。


国産クロスと輸入クロスの基本的な違い

国産クロスは、使いたい量だけ調達できる柔軟さがあります。
1m単位で購入できるため、無駄が出にくく、部分補修もしやすいのが特徴です。
輸入クロスは、1ロットが大きく、少量での仕入れが難しいために余りが出やすく、結果的にコストが高くなるケースが多い点を理解しておくことが大切です。
ただし、輸入クロスならではの世界観を楽しみたい方にとっては、そのコストも含めて「選んでよかった」と思える価値につながります。


クロス選びで重視すべき「機能性・デザイン・コスト」

クロス選びの基本は、機能性・デザイン・コストの3つの視点です。
機能性では、防汚や消臭など日常生活を快適にする機能があり、特にリビングや子ども部屋で役立ちます。
デザインでは、国内クロスは幅広いバリエーションを持ち、シンプルから高級感のあるものまで揃っています。
海外クロスは、大きい花柄や幾何学模様など、より個性的な表現が得意です。
コスト面では、国内クロスは流通が安定していて、施工も容易なため、材料費と人件費の両面で予算を抑えられて、とても選びやすいです。
海外クロスは輸送や在庫状況によって変動が出やすい傾向がありますので、特殊ルートで仕入れる材料と、腕のよい職人との両面で割高になります。


施工やメンテナンスに関わる規格と品質の基準

クロスは見た目だけでなく、施工性とメンテナンス性も重要です。
国内クロスは職人が扱い慣れているため施工の仕上がりが安定しやすく、部分的な補修もスムーズです。
輸入クロスは施工に時間がかかることがありますが、仕上がった空間は独自の存在感を放ちます。

また、補修や張り替えの際、国内クロスは在庫が安定しており同じ柄を入手しやすいですが、海外クロスは納期がかかる場合があります。
もし「少しの部分だけ交換したい」と考えているなら、国内クロスのほうが柔軟に対応できるでしょう。
逆に「部屋全体を一新したい」なら、海外クロスの魅力がより活きてきます。

海外クロスを選ぶ場合は、輸入納期が長く、追加発注が難しいケースが多いことにも注意しましょう。

下の画像はイギリスのCole&Son⇐
輸入クロス 品番:118/4007
https://www.tecido.co.jp/products/contents/0031679.php⇐
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国内主要6社クロスメーカーの特徴と強み・弱み

国内のクロス市場を支えているのは、サンゲツ・リリカラ・トキワ・ルノン・東リ・シンコールの6社です。
どのメーカーも安定した流通網を持ち、住宅から商業施設まで幅広いシーンに対応できる製品を揃えています。
共通する強みは、機能性と施工性のバランスが良く、価格も比較的安定していることです。
ただし、それぞれのメーカーには独自の得意分野や、逆に他社よりもやや弱い部分もあります。
ここでは代表的な特色を見ていきましょう。


サンゲツとリリカラの強みと選ばれる理由

サンゲツ⇐は業界最大手で、圧倒的なカタログ数とデザインバリエーションを誇ります。
シンプルなホワイト系から高級感のある素材感まで幅広く揃い、**「とにかく多くの中から選びたい」**という方に向いています。
また、ショールームが全国にあり、実物を確認できるのも安心材料です。

リリカラ⇐はデザイン性と機能性のバランスに強みがあり、特に消臭機能付きクロス汚れ防止クロスなど、生活を快適にする製品が豊富です。
価格帯も比較的手に取りやすいため、コストパフォーマンスを重視する層に選ばれています。


トキワ・ルノン・東リ・シンコールの特色と価格感

トキワ⇐は住宅用クロスのカタログが充実しており、機能性製品に力を入れています。
特にペット対応クロスなど、生活シーンに特化した商品展開が特徴です。

ルノン⇐は調湿機能を備えたクロスや自然素材系のラインナップに強みがあり、健康志向や自然派を好む層に人気があります。

東リ⇐は元々床材の大手ですが、クロスでも上質なデザインを展開しています。
ホテルやオフィス向けの高級感あるデザインに強みがあり、空間全体を格上げしたい場面で選ばれやすいです。

シンコール⇐はリーズナブルな価格帯の製品が豊富で、予算を抑えつつ多彩な柄を楽しみたい人に向いています。
コスト重視でも選択肢が多いのは大きなメリットです。


国内メーカー共通のメリットと見落としがちな弱点

国内主要6社に共通するメリットは、流通が安定しているため、欲しい製品をすぐ入手できる点です。
追加の張り替えや部分補修の際にも同じ商品を揃えやすく、長期的に安心して使えます。

一方で、弱点としてはデザインがやや画一的(似たような感じ)になりやすいことが挙げられます。
もちろんバリエーションは豊富ですが、海外クロスのような大胆な色使いや独特の世界観を求めると、選択肢が限られると感じることもあるでしょう。
つまり国内メーカーは、**「安心と機能性を重視したい層には最適」だけど、「強い個性を打ち出したい層には物足りないこともある」**という位置づけです。

下の画像はリリカラ⇐
品番:LL-7012
https://www.lilycolor.co.jp/interior/search/product.php?data_id=23393&d=wallcoverings⇐
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海外7ブランドのクロスメーカーが持つ魅力と注意点

海外のクロスメーカーは、国内にはない大胆なデザインや色使いで世界中のファンを魅了しています。
代表的なブランドには Cole & Son(イギリス)/York(アメリカ)/Boråstapeter(スウェーデン) などがあり、それぞれ独自の世界観を持っています。
一方で、輸入品ならではの調達・施工・メンテナンスの注意点もあるため、「デザインの魅力」と「実務上の負担」をセットで理解することが大切です。


デザイン性に優れた海外ブランドの代表例

イギリスの Cole & Son⇐ は、自然モチーフやクラシカルなデザインが有名で、インテリア雑誌でも頻繁に取り上げられています。
アメリカの York⇐ は、トレンドを取り入れた多彩な柄が特徴で、モダンな住宅や商業施設に取り入れやすいブランドです。
スウェーデンの Boråstapeter⇐ は、北欧らしいシンプルで温かみのあるデザインが魅力で、日本の住宅にも馴染みやすいといえます。

これらのブランドはいずれも、**「空間を一気に個性的に変える力」**を持っています。
無難さよりも「印象的な仕上がり」を求める方にとって、大きな魅力となるでしょう。


輸入壁紙ならではの魅力と日本の住まいでの使い方

海外クロスは、色彩や模様が豊かで、部屋全体に貼ると圧倒されるほどの存在感を放ちます。
しかし、日本の住宅は欧米に比べて部屋が小さめのため、**アクセントクロス(壁一面だけインパクトをだす手法)**に使うとバランスが取りやすいです。

たとえば、リビングの一面に大胆な花柄を取り入れると、空間全体が一気に華やぎます。
また、寝室の一部に落ち着いた色味を選べば、リラックス効果が高まります。
つまり日本では、海外クロスは「全面」ではなく「部分的に活用する」ことで、デザイン性を最大限に活かせます。


輸入クロスの調達・施工・メンテナンスで注意すべきポイント

海外クロスを使う際に、まず理解すべきは調達の仕組みです。
輸入クロスは1ロットの数量が大きく、少量での仕入れが難しいため、必要以上の量を購入せざるを得ないケースが多いのです。
その結果、余りが大量に出てコストが高くなることがあります。
この点は「欠点」ですが、他に方法が無いので「海外クロスはこういう特性がある贅沢品だ。」と、事前に知っておき、納得して選ぶことが大切です。

施工面では、輸入クロスは幅が狭く継ぎ目が増えるため、職人に高度な技術が求められます。
また、紙質や裏打ちの違いや、海外クロス特有の大柄物は合わせ目が難しいことから施工時間が延びるので、職人を雇う日数が増えて、国内クロスよりもかなり割高になります。
工期についてより詳しくはコチラ、 〖クロス張替え 期間〗6畳・1LDK・3LDKは何日?住みながらの工期と流れ⇐

また、余りが大量に出ることを避けてギリギリの量で仕入れた時に、もしも足らなくなったら悪夢の始まりです。
同じ柄でも、同じタイミング(ロット)で生産されたクロスでないと、柄の大きさに誤差がでます。
そして、海外クロスは足らなくなった時点で発注しても、同じ生産日(ロット)のクロスは高確率で入手できないので、必要以上の数量を取らざるを得ない点がデメリットです。

国内クロスは安定供給されていますが、輸入クロスは再入荷に時間がかかり、数週間以上待つことも珍しくありません
こういったデメリットを許容範囲にできるかも、選択のポイントになります。

下の画像はフランスのCASADECO⇐
品番:STNE80836370
https://www.tecido.co.jp/products/contents/0034283.php⇐
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国内と海外クロスの違い|規格・機能・価格・施工性を徹底比較

国内クロスと海外クロスを比べると、規格・機能・価格・施工性の4つの観点で大きな違いがあります。
どちらが優れているという話ではなく、それぞれの特徴を網羅的に理解することで、自分にとっての「どの部屋にどちらのクロスが合うのか」を明確にしていきましょう。
ここでは具体的な比較ポイントを分かりやすく整理していきますね。


規格幅の違いが施工費用や工期に与える影響

国内クロスは一般的に幅92cmで流通しており、広い面を効率よく貼れるため、施工がスムーズです。
海外クロスは幅52〜53cmが多く、継ぎ目が増える分だけ職人の手間が増えます。
そのため、施工時間や工賃に影響が出ます。

クロスの幅が狭い分だけデザインの柄合わせ回数が増して、柄がずれるリスクもあります。
しかし、輸入クロス特有の大柄デザインは、とても美しく、日本のクロスにはない独特の満足感があります。


機能性クロスとデザインクロスの比較ポイント

国内クロスは、抗菌・防カビ・消臭・表面強化など、生活を快適にするための機能が豊富にラインナップされています。
子ども部屋や水まわりなど、生活の利便性を高めたい場所に最適です。

一方、海外クロスは機能性よりもデザイン性に重点を置いている製品が多いのが特徴です。
華やかな模様や大胆な色彩は、日本国内のカタログにはない個性を演出します。
機能性が少ないというよりは「デザインが主役である」という、日本のクロスメーカーとは重点を置くポイントが違うと理解するのが正解ですね。
国内クロスの機能性と海外クロスのデザイン性、どちらを優先するかで選び方が変わります。


コストと耐久性のバランスから見る選び方

コスト面では、国内クロスは1m単位で購入できるため無駄が少なく、予算に合わせた調整が容易です。
海外クロスは1ロット(ロール)単位の仕入れとなるため、余りが発生しやすく、結果的に高くなるケースがほとんどです。

耐久性では、国内クロスは日本の気候に合わせて開発されているため、湿度や温度変化に強い製品が多いです。
一方で海外クロスは素材や紙質が多様で、耐久性も一律ではなく、ブランドや商品ごとの差が大きいのが実情です。

総合的に見ると、国内クロスは「安定した品質とコストコントロールのしやすさ」、海外クロスは「デザイン性と個性を楽しむ選択肢」と整理できます。
費用を重視するのか、空間の印象を重視するのかで、最適な選択が変わってきます。

ライフスタイル別おすすめクロスメーカーの選び方

クロスは「どのメーカーが一番良いか」ではなく、ライフスタイルや部屋の用途に合わせて選ぶことが大切です。
ここではリビング、寝室や子ども部屋、水まわりといった空間ごとに、おすすめの選び方を整理します。


リビングにおすすめのクロスメーカーと理由

家族が集まるリビングは、居心地の良さと清掃性のバランスが求められます。
国内メーカーの機能性クロスは、汚れ防止や抗菌加工があり、普段の手入れがしやすいのが魅力です。
例えば、シンコールやリリカラはコストを抑えつつも多彩な柄を揃えており、長く快適に使えます。

一方で、空間にアクセントを加えたい場合は、海外クロスを**一面だけに取り入れる「アクセントクロス」**として活用するのがおすすめです。
Cole & Son の自然柄や York のモダンデザインを組み合わせると、居心地の良さに加えてインテリアとしての個性も際立ちます。


寝室や子ども部屋に合うクロスの選び方

寝室はリラックスを重視する空間です。
落ち着いた色合いやシンプルなデザインのクロスが適しており、国内メーカーの豊富なカラーバリエーションから選ぶと安心感があります。
また、遮光性や調湿機能を備えたルノンの製品は、快眠環境を整えるのに役立ちます。

子ども部屋は汚れや落書きがつきやすいため、表面強化クロスや汚れ防止クロスがおすすめです。
リリカラやトキワには、子育て世代に配慮した機能性クロスが多く揃っています。
一方で、海外クロスのカラフルなデザインを取り入れると、子ども部屋らしい楽しい空間づくりができます。


水まわりや玄関で活躍する高機能クロス

水まわりや玄関は湿気や汚れがつきやすいため、防カビ・防汚機能を持ったクロスが安心です。
国内メーカーはこの分野に強く、東リやトキワは水まわり対応の高機能クロスを多数展開しています。

一方、海外クロスを取り入れる場合は、水まわり全面ではなく、玄関の一部にアクセントとして使うと効果的です。
Boråstapeter の北欧デザインなどを取り入れると、家に入った瞬間に個性を感じられる空間を演出できます。

また、クロスの価格とコスト管理について詳しくはコチラ 『㎡単価は当てにならない?クロス張替え費用の真実|6畳・1LDK・3LDKで解説!』⇐

まとめ

クロスメーカーを選ぶときは、国内と海外それぞれの特徴を理解したうえで、自分の住まいに合ったものを選ぶことが大切です。
国内クロスは、流通や機能性の安定感があり、施工や補修のしやすさも強みです。
一方、海外クロスはデザインの独自性が魅力で、空間に個性を与えてくれます。

ただし、海外クロスは1ロット単位での調達が前提となるため余りが出やすいこと、納期がかかることを知っておきましょう。
輸入クロスには「そういう特性がある」と理解したうえで選ぶことが大切です。

最終的にどちらを選ぶかは、**「費用を優先するのか」「デザインを優先するのか」**というライフスタイルの価値観によって決まります。
安心感を求めるなら国内クロス、特別なデザインを楽しみたいなら海外クロスと考えると、選び方がシンプルになります。

クロスは家の印象を大きく変える大切な要素です。
今回の比較を参考にして、自分にとって納得のいく選択をしていただければと思います。

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