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マンションのクロス張替えが高くなる理由7選【養生・在宅/空室など追加費用ガイド】

マンションでクロス張替えを検討するとき、なんといっても費用の総額が一番気になりますよね。
実は、間取りの広さだけでなく、共用部の養生や工事申請、エレベーターの使用制限など、マンション特有の条件で金額が変わってきます。

たとえば同じ6畳でも、戸建てに比べてマンションは追加費が発生しやすい傾向があります。
また、在宅工事か空室かでも工期や人件費が違い、結果として見積もりに差が出てきます。

この記事では、6畳・1LDK・3LDKといった具体的なケースを挙げながら、追加費用込みのリアルな相場感をわかりやすく整理しました。
費用の内訳を知ることで、相見積もりを比べる際にも役立ちます。
マンションならではの注意点を押さえながら、無駄な出費を防ぎましょうね!

 

 

マンションのクロス張替え費用が「戸建て」と違う理由

マンションでのクロス張替えは、戸建てと比べて費用の算出方法や追加費用の発生条件に特徴があります。
その背景には、共用部の存在や管理規約による制約が大きく関わっています。
単に㎡単価で比較するだけでは見えない部分に注意が必要です。

管理規約と作業時間帯の制約

マンションには管理組合が定めた規約があり、工事の申請や作業可能時間が細かく決められていることが多いです。
そのため、作業が午後5時までに制限されるなど、一日の作業時間が短縮されれば工期が延び、その分人件費が増える可能性があります。
戸建てでは一日を通して作業できることが多いため、この点が費用の差につながります。

搬入経路と共用部の扱い(掲示・鍵・立会い)

材料や道具を運ぶ際、エレベーターや共用廊下を使うため、養生が必須になります。
また、管理室で鍵を借りたり、掲示板に工事のお知らせを出したりと、マンション特有の準備作業が追加で必要です。
これらは見積もりの「諸経費」や「共用部養生費」に含まれるケースが多く、戸建てとの大きな違いです。

見積り条件に潜む“含む/含まない”の線引き

マンション特有の追加作業は、業者によって「基本費用に含まれるか」「別途加算か」が異なります。
例えば、共用部の養生費を「サービス」とする会社もあれば、「1万円〜2万円」と明記する会社もあります。
相見積もりを比較するときは、金額だけでなく“どこまで含まれているか”を見抜くことが重要です。

追加になりやすい費用|管理申請・共用部養生・駐車場・エレベーター

マンションのクロス張替えでは、見積書に基本工事費が書かれていても、実際には管理規約に基づく手続きや共用部の養生作業が発生し、追加費用につながることがあります。
特にエレベーターや廊下の養生、駐車場の確保などは、マンションならではの出費です。
ここでは代表的な4つの費用を解説します。

工事申請費・掲示物・書類作成の実務

工事を行うには管理組合に「工事申請書」を提出し、承認を得る必要があります。
業者によってはこの申請を代行してくれる場合があり、その際に**申請代行費用(数千円〜1万円程度)**が発生することがあります。
また、工事のお知らせを掲示板に貼る準備や近隣住戸への配布なども必要で、これらは人件費に含まれるかどうか確認が必要です。

共用部養生(廊下・エレベーター)と養生範囲

資材や工具を搬入する際には、エレベーターや共用廊下の壁・床を傷つけないように養生します。
一般的に養生費は5,000〜20,000円程度ですが、広い共用廊下や複数回の搬入が必要な場合はさらに高くなることもあります。
特にエレベーター養生は管理人立ち会いが必須のケースもあり、その分の作業時間が費用に加算されます。

駐車場・車両制限・積み地の確保

マンションによっては敷地内に駐車できず、近隣のコインパーキングを利用することがあります。
その場合、駐車料金(1日1,000〜2,000円程度)が実費請求されるケースも少なくありません。
また、車高制限で資材を積んだ車が入れない場合、運搬に余分な人手が必要となり、費用増加につながります。

 

在宅工事か空室かで変わる工期と人件費の差

マンションのクロス張替えでは、工事を在宅中に行うか、空室状態で行うかによって費用が変わることがあります。
在宅工事では家具移動や動線確保に時間がかかり、作業効率が下がるため、人件費に影響します。

家具移動と動線計画で変わる当日の手戻り

在宅工事の場合、作業前に家具を移動する必要があります。
家具を事前に片付けていないと、職人が移動作業を行い、その分の時間と労力が費用に加算されることがあります。
また、生活動線を確保しながらの工事になるため、一度貼ったクロスを部分的に剥がすなどの手戻りが発生するケースもあり、効率が下がるのです。

在宅時の分割施工と日数増リスク

在宅中の工事は、生活スペースを確保しながら進めるため、一度にすべての部屋を施工できない場合があります。
その結果、工期が1〜2日延びることもあり、人件費や諸経費が上乗せされやすくなります。
逆に空室工事であれば、同じ広さでも一気に作業できるため、トータルの費用は抑えやすくなります。

繁忙期と人員体制(1名/2名)での単価差

職人の人数体制によっても費用が変わります。
1人で作業する場合は日数がかかりますが、2人なら短期間で終わり、その分の人件費が効率的になることもあります。
ただし、繁忙期には2人での作業が難しく、単価が高めに設定される傾向があります。
このように、時期と人員配置が費用に直結するのがマンション工事の特徴です。

分譲と賃貸での注意点|原状回復・申請ルール・近隣配慮

マンションのクロス張替え費用は、分譲か賃貸かによっても考え方が変わります。
分譲は自分の所有物として自由度がある一方、賃貸は原状回復やオーナー承諾が必要になり、負担の範囲が違ってくるのです。

分譲:専有/共用の境界と許可要否

分譲マンションでは、自分の住戸内は「専有部分」とされ、基本的に自由にクロスを張り替えられます。
ただし、玄関ドアの内側や窓枠まわりなど、共用部分と接する部分は管理組合の許可が必要なケースもあります。
この境界を誤解すると、後から追加の申請費用や工事ストップにつながるため、事前に確認することが大切です。

賃貸:オーナー承諾・原状回復・費用負担の原則

賃貸物件でクロスを張り替える場合、基本的にオーナーの承諾が必須です。
特に原状回復のルールが契約書に定められているため、入居者が自由に張替えをすると、退去時に再度張替え費用を請求されることもあります。
このため、賃貸では自分の負担でクロスを変えるよりも、オーナーと相談して費用をどう分担するかを決めるのが現実的です。

近隣挨拶・騒音配慮・トラブル回避

どちらの場合でも、工事中の騒音や粉じん、作業員の出入りは近隣住戸に影響を与えます。
事前に管理人や隣人へ挨拶を行っておくと、トラブルを避けやすくなります。
もし業者が「近隣挨拶サービス」を行うなら、費用に含まれているか確認しておきましょう。
小さな気配りが、余計な出費やご近所トラブルの防止につながります。

 

相見積もりの見方と総額を抑えるコツ

クロス張替えの費用を正しく把握するには、相見積もりを取ることが欠かせません
ただし、単に総額を比較するだけでは不十分で、数量の根拠や追加費用の条件を見抜くことが大切です。

数量の合わせ方(壁面積・開口・巾出し)

見積書では「㎡単価」で計算されることが多いですが、算出方法は業者によって異なります。
たとえば、ドアや窓の開口部を面積から引くか引かないか、細かい部分の処理をどう扱うかで同じ6畳でも数㎡の差が出ることがあります。
数量の根拠を確認しないと、単価だけで比較しても意味がないのです。

㎡単価、張り替え費用について詳しくはコチラ㎡単価は当てにならない?クロス張替え費用の真実|6畳・1LDK・3LDKで解説!⇐

追加費の芽を事前に潰すチェックリスト

相見積もりを取る際には、共用部養生費・駐車場代・申請代行費・家具移動費が「含まれているか」を必ず確認しましょう。
これらが抜けていると、後から追加請求され、結果的に高くつくことがあります。
最初の段階で「別途費用が発生する条件」を書面で確認することで、想定外の支出を防げます。

相見積もりテンプレと比較の優先順位

相見積もりをスムーズに比較するには、同じ条件で依頼することが大切です。
そのために、面積や希望のクロス種類、工事希望日程などをあらかじめ統一して伝えると良いでしょう。
比較の際は「㎡単価」よりも、最終的な総額と含まれる作業範囲を優先的に見ましょう。
これにより、費用だけでなく安心感や対応力も含めて業者を選べます。

まとめ

マンションのクロス張替え費用は、間取りの広さだけでなく、管理申請・共用部養生・駐車場確保といったマンション特有の条件で変動するのが特徴です。

同じ6畳や1LDKでも、在宅か空室か、分譲か賃貸かによって、工期や人件費、さらには申請手続きの有無まで影響してきます。
そのため、単純に㎡単価だけで判断すると、思わぬ追加費用が発生することもあります。

大切なのは、相見積もりで「何が含まれているか」を確認することです。
共用部養生費や駐車料金、家具移動などが見積りに含まれているかをチェックするだけで、予算のブレを防げます。

マンション特有のルールを理解して準備すれば、クロス張替えはスムーズに進みます。
費用を抑えながら安心してリフォームを進めるために、今回ご紹介したポイントをぜひ活用してください。

クロスのリフォームはリクテカ