クロスを張り替える前に、壁のカビ・穴・ひびなどが気になることはありませんか?
実は、これらの状態を放置したままクロスを貼ると、仕上がりが悪くなったり、再びトラブルが起きたりすることがあります。
クロスの張り替えでは、見た目を整えるだけでなく、下地そのものを直す「下地補修」が欠かせません。
カビ・穴・ひびの補修方法や費用の目安を知っておくと、見積もり時に、その作業は必要かが判断できます。
この記事では、症状別の補修方法や費用、そして再発を防ぐポイントをわかりやすく解説します。
「どの程度の傷みなら、どのくらいの補修が必要?」という疑問を、この記事で解消しておきましょう。

もくじ
クロスの張り替え前に確認したい!下地補修が必要な3つのサイン
クロスの張り替えを検討する際、まず確認すべきなのが「下地補修が必要な状態」です。
壁の表面に問題があると、新しいクロスを張ってもすぐに剥がれたり、膨らんだりしてしまいます。
下地の状態を見極めることで、無駄な費用や再工事を防ぐことができます。
カビ・黒ずみが広がっている壁は要注意
壁の一部が黒ずんでいたり、カビ臭がする場合は要注意です。
カビは表面だけでなく、下地のボードや糊の層にまで入り込んでいることがあります。
この状態で新しいクロスを貼ると、数か月でシミや再発が起きることがあります。
まずは除菌・防カビ処理を行い、湿気の原因を断つことが大切です。

画びょう跡や小さな穴が多いと仕上がりに影響
一見目立たない画びょう跡でも、数が多いと貼り替え後に凹凸が浮き出ることがあります。
特に光が差し込む方向に壁がある場合、細かな影ができて目立ってしまうことも。
こうした穴は、パテでしっかり埋めることでフラットな仕上がりになります。
ひびや凹凸があるとクロスが密着しない
ひび割れや凹凸は、クロスの密着不良を引き起こす代表的な要因です。
特に下地ボードのつなぎ目や経年による歪みは、補修をせずに貼ると隙間が浮き上がってしまいます。
見た目を整えるだけでなく、クロスの耐久性を高めるためにも事前の補修が必要です。
費用総論や在宅差、天井の影響は
→「クロス張替え費用|在宅と空室でいくら変わる?差額の根拠を徹底解説」
→「クロス張替え|天井も貼るべき?壁だけor壁+天井の費用差とメリット・デメリット」
こちらも参考にしてください。

カビがある場合の下地補修方法と費用の目安
カビがある壁は、見た目以上に下地が傷んでいるケースが多いです。
放置するとクロスに再発しやすく、室内環境にも影響を与えるため、確実な処理が必要です。
カビの原因は湿気と結露|再発防止がポイント
カビは湿気や結露が原因で発生します。
特に北側の部屋や浴室近くの壁では、温度差による結露がカビの温床になります。
補修時には、原因を断つための換気改善や断熱対策もあわせて行うと効果的です。
軽度のカビは除菌・シーラー処理で対応可能
表面だけにカビがある場合は、アルコール系の除菌剤で拭き取り、下地を乾燥させます。
その上から防カビ効果のあるシーラー処理を行えば、再発を防ぎつつクロスを貼ることができます。
費用の目安は6畳間で5,000〜10,000円程度です。
下地ボードまで侵食した場合の補修と費用
カビがボード内部まで広がっている場合は、ボードの張り替えが必要になります。
部分張り替えなら1㎡あたり4,000〜8,000円程度、全面交換では40,000円前後が目安です。
施工時には防カビ下地材や湿気に強いクロスを選ぶと安心です。
内部リンク参考:
外部リンク参考:

穴があいた壁の補修手順と費用の違い
穴の大きさや深さによって、補修の方法や費用が変わります。
見た目は小さくても、下地まで達しているかどうかで工事内容が大きく異なります。
小さな穴はパテ埋めで簡単に補修できる
画びょうや釘の穴程度なら、パテを充填して表面を研磨するだけで補修できます。
作業時間も短く、1か所あたり数百円程度で済みます。
DIYでも対応できますが、仕上げを滑らかにするには職人の手作業がきれいです。
中程度の穴はメッシュシートとパテで補強
直径2〜5cmほどの穴は、メッシュシートを貼ってからパテで埋める方法が一般的です。
この工程を省くと、クロスを貼ったあとにへこみが出ることがあります。
費用は1か所あたり1,000〜2,000円程度が目安です。

大きな穴は石膏ボードの張り替えが必要
拳ほどの大きさの穴は、パテでは補えません。
損傷部分の石膏ボードを切り取り、新しいボードをはめ込む「部分張り替え」で対応します。
施工費は1㎡あたり5,000〜10,000円前後が一般的です。
参考リンク:→サンゲツ「施工要領|素材画像・商品関連資料」

ひび割れた壁の補修方法|原因別の対処法
ひび割れは、原因を見極めて対処することが重要です。
見た目が小さくても、放置すると再発する可能性があります。
乾燥による細かいひびはパテ補修で対応可能
クロスの表面や下地の乾燥によるひびは、表面的なものがほとんどです。
パテで埋めて研磨すれば、再度クロスを貼ることができます。
費用は1㎡あたり500〜1,000円程度と比較的安価です。
構造的なひび割れは原因を調査して補強が必要
建物の揺れや地盤沈下などで発生するひびは、下地材の補強が必要です。
この場合はクロス工事前に大工が下地を補修するケースが多く、費用は1㎡あたり3,000〜5,000円程度です。
構造的なひびは再発リスクが高いため、専門業者に相談しましょう。
クロスで隠すだけでは再発するリスクが高い
ひびをそのままクロスで隠しても、時間が経つと同じ場所に再び線が出ることがあります。
原因を解消しないまま貼ると、見た目だけ整えても長持ちしません。
再発を防ぐには、補修+乾燥時間を十分に取ることが重要です。
参考リンク:

補修費用を抑えるためのポイントと業者選びのコツ
補修の費用は、作業量や下地の状態によって変わります。
しかし、依頼時の工夫でコストを抑えることも可能です。
現地調査で「補修範囲」を明確にしてもらう
現地調査の際に、補修が必要な箇所をしっかり確認してもらいましょう。
「下地補修一式」と記載されているだけでは内容が不明確です。
範囲を明示することで、不要な追加費用を防げます。
軽度の補修はまとめて依頼すると割安になる
画びょう跡や小さなひびなど、軽度な補修はまとめて依頼すると効率的です。
作業時間を短縮できるため、1か所あたりの単価が下がります。
見積もり時に「まとめて直すとどれくらい変わるか」を確認しておくと良いでしょう。
見積書の「下地補修」項目を確認するポイント
見積書に「下地補修一式」とだけ書かれている場合は、具体的な内容を必ず質問しましょう。
「どの程度まで補修が含まれるか」「追加費用が発生する条件」は業者によって異なります。
透明性の高い業者を選ぶことが、最終的に安心とコスト削減につながります。

まとめ
クロス張り替えでは、見た目の美しさを保つために下地補修が欠かせません。
カビ・穴・ひびのようなダメージを放置すると、せっかくの新しいクロスが早く傷んでしまう原因になります。
軽度な補修であればパテ処理で十分ですが、下地ボードが傷んでいる場合は張り替えや補強が必要です。
費用の目安を知っておくと、見積もりで「高いか安いか」を冷静に判断できます。
また、補修費用を抑えるには、現地調査の段階で補修範囲を明確にし、
「どこまでの作業が見積もりに含まれるのか」を確認することが重要です。
信頼できる業者であれば、追加費用の条件をしっかり説明してくれるはずです。
クロス張り替えは、単なる模様替えではなく住まいの健康管理でもあります。
下地の状態を正しく見極め、長持ちする仕上がりを目指しましょう。

