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下地の凹凸を目立たせない!リフォーム用クロスのメリット│在宅工事OK

クロス張り替えを検討するとき、「リフォーム用」と書かれた壁紙を見かけたことはありませんか?
これは下地の凹凸や古い傷を目立たせにくい厚みと柔軟性を持つクロスのことです。
住みながらの工事にも向いています。

特に、在宅リフォーム中でも、パテ処理が少なく済むので、硬化したパテが粉じんとなって舞う量がとても少ないのが大きな魅力です。
日本で使われるクロス糊は無臭で安全性も高いので、「住みながらのリフォームに対応している工務店」であれば、家具を動かしながらクロス張り替えを進めても快適に過ごせます。

この記事では、リフォーム用クロスでクロス張り替えをするメリットそれ以外のクロスとの違い・選び方・費用感をわかりやすく解説します。
さらに、各メーカーのリフォーム推奨クロスも紹介しますので、仕上がり重視の方はぜひ参考にしてください。

もくじ

「リフォーム用」クロスの基本|下地凹凸を目立たせにくい仕組み

リフォーム用クロスとは、既存の壁の凹凸や傷をできるだけ目立たせずに仕上げるための厚みと柔軟性を備えた壁紙のことです。
量産品や1000番クロスのリフォーム用クロスを、それ以外のクロスと比べると、表面のエンボス(凹凸模様)や裏紙の層が厚く、下地の影響を受けにくい構造になっています。

リフォームでは既存の壁下地にパテ処理をして、凸凹を解消してからクロスを施工しますが、下地の影響を受けやすいペラペラなクロスなどを施工すると、どうやってもボードの段差や釘跡が残ってしまうケースがあります。
そこで厚みのあるクロスを使うことで、凹凸が浮き出るのを抑え、より滑らかに見せる効果があります。

また、最近は「不陸(ふりく)隠蔽性」という性能指標を明示しているメーカーもあり、下地のゆがみをどこまで吸収できるかを数値化しています。
たとえばサンゲツの「リフォームアップ」リリカラの「らくらくリフォーム」は、この隠蔽性に優れた代表的シリーズです。

リフォーム用クロスは、単に厚いだけでなく、伸縮の少なさや施工性の高さも重視されているのが特徴です。
仕上がりの品質を一定に保ちながら、作業スピードを上げられるため、在宅工事にも向いています。


量産品・1000番の、通常のクロスとの違い(厚み/下地隠蔽性/伸縮)

通常のクロスは主に新築や賃貸の原状回復で多用され、コストを抑えながら短期間で施工できる軽量タイプです。
一方、リフォーム用クロスはその約1.2〜1.5倍の厚みを持ち、裏紙や表面層が多層構造になっています。

この厚みがボードのつなぎ目や古い下地の段差をカバーするクッションの役割を果たします。
また、1000番クロスに見られるデザイン性や高級感よりも、実用性や下地対応力を優先している点が大きな違いです。


表面強化・機能層の基礎(耐擦り・撥水ほか)

リフォーム用クロスの中には、表面に耐擦り加工・撥水加工・防カビ剤を施したものもあります。
特に、水回りや廊下などの生活導線では、手垢や摩擦が多いため、表面強化タイプを選ぶことで長持ちします。

一方で、強化層が厚すぎると柔軟性が下がり、下地の動きに追従しにくくなるため、部屋ごとにバランスを取る選定が大切です。


見本帳のどこを見れば「リフォーム用」か(記号・グレード表記)

各メーカーでは、見本帳の中に「リフォーム推奨」「リフォーム向け」「下地の凹凸が目立ちにくい」などのマークを付けています。
例えば、
サンゲツでは「リフォームアップ」
リリカラでは「らくらくリフォーム」
シンコールでは「リフォーム上手」
などが該当します。

このような表記を探すことで、目的に合った製品を選びやすくなります。
実際に施工例やテクスチャーを触ってみると、柔らかく弾力のある手触りが厚手クロスの特徴です。

どんな家に向く?在宅工事OKの理由と相性の見極め

日本のクロスは、住みながらの工事(在宅施工)でも安心して使える素材です。
特にリフォーム用のクロス施工は、作業中の臭いや粉じんが少なく、音もほとんど発生しません。
これは、日本のクロス施工で使われる糊が無臭かつ水性タイプで、有害成分を含まないためです。

そのため、日常生活を送りながらの工事でも、家族やペットへの負担が最小限に抑えられます。
また、厚手クロスは施工時の下地調整が少なく済むため、作業時間を短縮しやすい点も在宅リフォームに適しています。

在宅での注意点については、内部記事→「クロス張替え費用|在宅と空室でいくら変わる?差額の根拠を徹底解説」もあわせて参考にしてください。


採用が合理的なケース(下地荒れ・部分リフォーム・短工期)

リフォーム用クロスが特におすすめなのは、古い下地を再利用する場合や部分的な張り替えのときです。
古い壁紙を剥がしたあと、ボードの段差やパテ跡が残ることがありますが、厚みのあるクロスなら凹凸を吸収して目立ちにくくなります。

また、短期間で仕上げたい場合にも向いています。
下地処理の工程を簡略化できるため、1日〜2日で完了する在宅工事にも対応しやすく、工期を短縮できます。

在宅での施工期間の目安は、内部記事「【クロス張替え期間】6畳・1LDK・3LDKは何日?住みながらの工期と流れ」で詳しく紹介しています。


避けたいケース(重ね貼り前提・納まり悪化・過度な厚み)

一方で、下地が著しく劣化している場合や、壁紙を剥がさずに重ね貼りを予定しているケースでは注意が必要です。
厚手のクロスを重ねると、見切り部分やコーナーの納まりが悪くなりやすいからです。

また、過度に厚みがある製品を選ぶと、壁紙の継ぎ目で段差が出たり、ドア枠・巾木の納まりに影響する場合があります。
下地状態と厚みのバランスを見極めながら選定することが大切です。


マンション/在宅工事での相性と注意点

マンションでは、共用部の養生や管理組合への申請が必要になる場合があります。
そのため、作業時間の制限がある現場でも音や臭いが少ないリフォーム用クロスは相性が良いといえます。

また、部屋ごとの気圧差や湿度で下地が動くこともあるため、伸縮しにくく施工性の高いタイプを選ぶと仕上がりが安定します。
施工業者に「在宅対応の経験があるか」を確認しておくと安心です。


量産・1000番との違いと費用影響|貼り分けで無駄なく賢く

リフォーム用クロスは、通常のクロスと比べると同じ価格帯の品番と、やや単価が高く設定されている品番があります。
ただし、施工時間や下地処理の手間を減らせるため、総額では大きな差にならないケースも多いのが実情です。
厚手で隠蔽性の高いクロスは、パテ処理を最小限に抑えられ、下地補修費の節約につながります。

また、施工面積が広い場合は、見える面だけ厚手クロスにして費用を抑える“貼り分け”が効果的です。
たとえば、照明の光が当たるリビングのメイン壁面だけリフォーム用クロスにし、他の面は量産品を使うとコストを30%前後抑えられる場合もあります。
この考え方は→
〖計算機つき!〗リビングだけのクロス張替え|最低工事費・アクセント一面
」の記事と組み合わせるとより実践的です。


グレード別の費用感と数量の影響(歩留まり・最低工事費)

クロスの見積もりは、㎡単価×施工面積で計算されますが、実際には「最低工事費」や「端数ロス」などが影響します。
リフォーム用クロスは厚みがある分、ジョイント処理に手間がかかるため、㎡単価は量産品より約10〜20%高めに設定されることが一般的です。

ただし、下地処理の簡略化で施工時間が短縮される分、トータルでは量産クロスとの差が縮まります。
また、歩留まり(材料の使い切り効率)が良いメーカーを選ぶと、残材ロスを減らして総額をさらに抑えることも可能です。
見積書で確認すべきポイントは、内部記事「相見積もりで失敗しない!クロス張り替え見積書のチェックリスト」で詳しく解説しています。


“全部厚手”にしない貼り分け設計|見える面・光の当たる面だけ

リフォーム用クロスを家全体に使うと、費用がかさんでしまうことがあります。
そこでおすすめなのが、**“見える面だけ厚手”**にする貼り分け設計です。

たとえば、リビングや玄関など、来客の目に入りやすい部分照明で凹凸が浮きやすい壁面に厚手クロスを使用し、
寝室やクローゼットの内側などは量産クロスで仕上げると、見た目とコストのバランスが最適化されます。

この貼り分けは施工業者にも相談できますが、壁ごとに違う品番を使う場合は「ロール取り」と呼ばれる材料配分を調整する必要があります。
この点は「部屋別のクロス張り替え費用【早見表】6畳・8畳・LDK」の記事を参考にすると、施工規模のイメージがつかみやすいでしょう。


見積もりで確認すべき5項目(品番クラス・巾出し・端末処理)

リフォーム用クロスを指定する場合、見積もり書のこの5項目を確認しておくと安心です。

  1. 品番クラス(量産/リフォーム用/1000番)

  2. 巾出し寸法(ジョイント間隔に関係)

  3. 端末処理(巾木・枠・天井見切り)

  4. 糊の種類(標準糊か強粘着か)

  5. 最低工事費・搬入費の有無

これらを確認するだけで、施工トラブルの大半を防ぐことができます。
また、サンゲツやリリカラなど主要メーカーのカタログでは「施工性」「厚み」「隠蔽性」などの指標が明示されているため、「サンゲツ公式 リフォームアップ 」や 「リリカラ公式 らくらくリフォーム 」の説明ページを参考に選定しましょう。

 

仕上がりを左右する施工ポイント|ジョイント・下地調整・見切り

どんなに良いクロスを選んでも、施工の精度が低ければ美しい仕上がりにはなりません。
特にリフォーム用クロスは厚みがあるため、ジョイント(継ぎ目)や下地の状態、見切り部分の仕上げ方で完成度に大きな差が出ます。
ここでは、職人が意識する3つの重要ポイントを紹介します。


ジョイントの巾出しと継ぎ目の見え方|厚手のメリットと注意

リフォーム用クロスは、厚みのおかげで継ぎ目が目立ちにくいという利点があります。
しかし、厚手であるがゆえに、カッターの切れ味や圧着の精度が仕上がりに直結します。

職人は「巾出し」と呼ばれる継ぎ目の配置を事前に決め、照明が当たっても影が出にくい位置に調整します。
この工程を省くと、いくら高品質なクロスでもラインが浮き出てしまうことがあります。

継ぎ目の目立ちを抑える施工技術は、内部記事「クロス張り替え「すべての工程」養生〜仕上げまでを“見える化”しました!」で詳しく紹介しています。


段差・クラック・古い傷への下地調整の基本

リフォーム現場では、古い釘跡・ビス穴・クラック(ひび割れ)などが多く見られます。
リフォーム用クロスの厚みである程度カバーできますが、下地調整をまったく省くことはできません。

特に段差やボードの継ぎ目は、軽くパテを打ち直し、面をなだらかに整えておくと仕上がりが安定します。
また、雨漏りやカビ跡がある場合は、アク止め剤や防カビ剤で下処理を行うと再発防止になります。
この工程については、内部記事→「雨漏り後のクロス張替えで失敗しない!含水率で決める壁紙+ボード交換の基準」も参考にしてください。


開口部・端末・見切り材の納まりで差が出る理由

厚手のクロスは、ドア枠や窓まわりの端末処理にも注意が必要です。
特に古い建具や巾木との境界では、厚みによってクロスの浮きや押し込み跡が出やすくなります。

このような箇所には、「ジョイントコーク」や「見切り材」を活用して境界をなめらかに整えることで、施工後の仕上がりが格段に向上します。


在宅でのクロス張り替えでは、作業スペースや生活動線が限られます。
リフォーム用クロスの「厚み」と「柔軟性」は、限られた空間でも継ぎ目が出にくく、埃が舞わない静かな施工を実現します。

メーカー別の見方と選び方|サンプル確認と失敗回避チェック

リフォーム用クロスを選ぶときは、メーカーごとの特徴を理解して比較することが大切です。
厚みや質感、施工性の違いによって仕上がりや費用が変わるため、カタログを見比べながら検討しましょう。
ここでは、選び方の基本と、実際に手に取って確認する際のポイントを紹介します。


カタログの“リフォーム推奨”表記と機能マークの読み方

主要メーカーの見本帳には、「リフォーム推奨」「下地の凹凸が目立ちにくい」「施工性◎」といったマークが付いています。
これらの表記を確認するだけで、どの製品が在宅工事や古い下地に向いているかが一目でわかります。

たとえば、

  • **サンゲツ「リフォームアップ 2024–2027」**では、厚みと柔軟性に優れた不陸隠蔽性を明示。

  • **リリカラ「らくらくリフォーム 2024–2027」**は、軽量で貼りやすく、施工時間短縮を意識した設計。

  • **シンコール「リフォーム上手 2024–2026」**は、古い下地でも仕上がりが安定する施工性を重視。

  • **ルノン「ルノンリフォームプロ 2024–2027」**は、環境配慮型素材を採用し、低VOCで安心。

これらはすべて公式カタログで確認できます。
各製品ページへの外部リンクは、本記事上部の
見出し「リフォーム用」クロスの基本|下地凹凸を目立たせにくい仕組み
に記載していますので、ご確認ください。
どのメーカーも公式サイトで施工写真・素材アップ・見本帳データを公開しているため、比較しやすいのが特徴です。


サンプルの当て方:照明・視線・柄リピートの確認手順

カタログだけで判断せず、実際にサンプルを壁に当てて確認することをおすすめします。
ポイントは、昼間の自然光・夜間の照明の両方で見ることです。
光の方向や強さで凹凸の見え方が変わるため、時間帯を変えてチェックすると仕上がりをイメージしやすくなります。

また、柄のリピート(模様の繰り返し)にも注目しましょう。
小さな柄ほど継ぎ目が目立ちにくく、広い面では自然な印象になります。
内部記事「〖保存版〗アクセントクロス費用早見表|貼る面積と柄選びのコツ」も参考になります。


メーカー別おすすめクロス品番4選(公式カタログへ外部リンク)

最後に、特にリフォームで評価が高い代表的クロス品番を紹介します。
どれも下地凹凸を目立たせにくく、施工性とデザイン性を兼ね備えています。

これらの詳細は上記リンクの公式カタログで確認できます。
施工後の実例写真も多く掲載されており、実際の仕上がりイメージを掴みやすいのが魅力です。

まとめ

リフォーム用クロスは、古い下地の凹凸を目立たせにくく、美しい仕上がりを実現できる頼もしい素材です。
厚みと柔軟性があるため、既存の壁を活かしながら貼り替えられ、住みながらの在宅工事にも向いています。

また、日本のクロス施工では臭い・粉じん・騒音がほとんど出ないため、日常生活を続けながらでも安心です。
さらに、部分的に厚手クロスを使う貼り分け設計を取り入れれば、費用を抑えながら仕上がりの質を高めることもできます。

各メーカーからは、サンゲツ「リフォームアップ」、リリカラ「らくらくリフォーム」、シンコール「リフォーム上手」、ルノン「リフォームプロ」など、下地隠蔽性に優れた製品がそろっています。
それぞれの特長を見比べて、ご自宅の状態やライフスタイルに合うクロスを選びましょう。

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